カーナビゲーションユーザーにとって「地図情報の更新」は関心の高い事項の一つです。
「正しい目的地」に「適切なルート」で到着するには、常に地図情報を最新の状態に保つことが必要です。しかし、従来の地図更新では、DVDやCDのメディアを購入し、メディアで提供された地図が全て更新される方式やカーナビを販売店に持ち込んでHDD内の地図を書き換えるなど、手間や時間がかかるため、頻繁に行うことができず、必要とする地図の変更分だけを効率良く更新する技術が待ち望まれていました。

これらの地図情報の更新に対するユーザーのニーズ、期待は、カーナビゲーションにとどまらず、あらゆる情報端末で電子地図を使うユーザーに共通するものです。
日立は、これらのニーズに応えるものとして新たに「地図差分更新技術」を開発し、この技術をベースとして、カーナビゲーションをはじめとするさまざまな情報端末で利用されている電子地図を総合的にマネージメントする電子地図総合ソリューションを提供していきます。より具体的には、地図ベンダーから提供される電子地図の変換・加工(オーサリング)を行い、テレマティクスサービスやインターネット・モバイルサービス等、さまざまなサービスプロバイダーを通じて、電子地図の差分更新データをさまざまな情報端末に届けるための配信管理を行います。これにより、多くのお客さまのニーズに応え、ワールドワイドで顧客満足の獲得をめざしていきます。


また、これまで培ってきた技術・ノウハウを生かし、オープンなスタンスでワールドワイド市場でのデファクト標準をめざすなど、地図データ形式の開発、および地図更新の仕組み作りに、積極的に取り組み、幅広い採用に向けて注力していきます。
地図差分更新とは、カーナビやPND、携帯電話などの電子地図を利用する情報端末の地図データを最新の状態にするために、『変化のあった部分だけ』を更新する方法です。
従来は地図データを最新にするためにはDVDなどの大容量メディアを用いてデータを大量に書き換える必要がありましたが、必要最小限の地図差分データだけを抽出・配信することによって、インターネットや携帯電話などを使って地図データを常に最新の状態に保つことができるようになります。

カーナビ地図の更新では『道路同士の繋がりを保ったまま』地図更新を行うことが最も重要です。
具体的に言うと、実際に変化のあった道路に関連する周辺の道路も同時に更新しなければ道路が途切れてしまい、ルート探索などの重要な機能が使えなくなってしまいます。
このとき、従来の地図データの管理単位である「メッシュ(矩形)」で更新を行うと、そのメッシュに存在する変化のない道路まで更新することになり、データ量の増加に繋がります。さらに、道路が途切れないように周辺のメッシュまで更新しようとすると、周辺メッシュでも同様に無駄な更新が起こります。加えて、周辺メッシュの別の更新道路が巻き込まれると、その道路がまた別のメッシュに影響を及ぼし…と、更新の範囲が連鎖的に広がってしまい、更新データ量が極端に大きくなってしまうことになります。
日立の地図差分更新技術では、地図データそのものは一般的なメッシュ単位で管理を行いますが、差分データは道路一本単位(これを「オブジェクト」と呼びます)で抽出します。そこから、関連のある最低限のオブジェクトを、メッシュの枠を超えて結合します。このオブジェクトの集合体を「更新エレメント」と呼び、差分データの管理単位としています。これにより、「接続性の保持」と「更新データ量の抑制」の両立を達成しました。


更新の単位および更新管理を自由に設定できる組み込み型RDBを採用し、用途や目的に応じて、更新範囲や更新手段を柔軟に選択することが可能です。また、更新時の電源断やエラーからの復帰の対応等、高度なデータ管理を実現しています。
【電子地図データ更新方法と更新範囲の例】
電子地図総合ソリューションは、下記のサービスで構成されています。
既存の地図形式(地図フォーマット)をベースに、差分更新に対応する地図形式(地図データ配信管理サービスからの更新データを受け取れる形の差分更新対応の地図形式)に変換・加工します。
【電子地図の変換・加工サービス提供の流れ】
差分更新対応の地図形式を導入する際の、さまざまな運用支援を行います。
【電子地図データの更新方法と更新範囲の例】
既存の地図形式(地図フォーマット)をベースに、差分更新に対応する地図形式(地図データ配信管理サービスからの更新データを受け取れる形の差分更新対応の地図形式)に変換・加工します。
【アウトソーシングサービスの例】
日本、北米・メキシコ、欧州・ロシア、中近東、南アフリカ、オーストラリア 等
A:地図全体を一括して更新するのではなく、変化のあった部分だけを更新するものです。必要な部分だけを更新できるのでデータ量も少なく、更新時間や通信費用が節約できます。
A:他社でも差分更新は実施していますが、日立は地図の変更箇所を道路単位(オブジェクト単位)で管理しているので、目的地までの道路が途切れません。
A:矩形単位の道路更新と異なり、道路単位(オブジェクト単位)の管理により、必要最小限のオブジェクトのみを更新するため、更新データ量を抑制することができることと、道路がとぎれないように接続性を保つことを両立しています。また、道路だけでなく地図上の施設情報(コンビニエンスストア、レストランやガソリンスタンドなど)も更新できます。
A:サービスプロバイダ向けに以下のサービスを提供しています。
1)電子地図変換・加工(オーサリング)サービス
2)地図データ配信管理サービス
3)アウトソーシングサービス
詳しくは本文の「電子地図総合ソリューションの構成・内容」をご覧下さい。
A:一回で更新するエリアの広さは、更新データを入手する手段との組みあわせで実用的なサイズが決まります。現時点での代表的なものとしては、携帯電話等を経由した指定地付近限定範囲の更新、インターネット接続のPCからUSBメモリ等による中規模範囲(都道府県単位など)の更新、販売店などでの全国規模範囲の一括更新などがあります。
A:手軽に地図の必要な部分のみを更新できますので、今後主流になるものと予想しています。
A:狭いエリアをすばやく更新したい場合は携帯電話経由等による差分更新が便利です。広い範囲を更新する場合は一括更新をお勧めします。
(全国規模など広いエリアを携帯電話経由の差分更新で行った場合は更新時間や通信費用が大きくなり、特長が活かせない恐れがあります。更新範囲の大きさを考えながら適切な手段を選択していただくことが必要です。)